親が飲食店をしていたので動物を飼うなんてことは御法度だった。なのでずっと動物に興味なく育った。
30代の頃までは『犬派?猫派?』って質問が、正直うざかった。どっちでもないって選択肢はなぜないのか?って、いつも思ってた。
でも40になったくらいから猫が好きになり、最近じゃ犬も好きになり、もふもふしてればなんでも好きになった。
そして今じゃ猫は愛おしいなーと心底思うようになった。
そういえば、高校生までは本を読むことも好きじゃなかった。読書感想文を書かなきゃいけないから読むような感じだった。
ただ、家には母が読んだ本があって、当時話題だった吉本ばななの"キッチン"を見付けた時は、なんとなく手にとって読んでみた。
おもしろいなと思ったけど、それでも読書が恒常的な行為になることはなかった。
今じゃ営業中の暇な時間は読書タイムだ。この間は読みかけの本を読み終えたくて、気付いたら営業時間を延長していた。誰もいないのに。
もちろん読書感想文だって嫌いだった。作文自体が嫌いだった。何を書いていいか、どう書いていいか分からなかった。
ところが今じゃこんなブログを毎日書いている。毎日書き続けてもう12年半以上になる。1日も欠かしていない。最早、書かないほうが気持ち悪い。
しかもいわゆるブログにしたら文章が長い気がする。これって作文用紙何枚分なんだろう。
学生時代にこの意欲があれば成績も違っただろうな。
走ることもそうだ。運動は嫌いじゃなかったけど持久走は嫌いだった。なんなら大嫌いだった。
高校の時のロードレース10kmなんて本当に嫌だった。『ガクは長距離は嫌いだったよな』って部活仲間も覚えていたくらい。
それが今じゃマラソン大会に参加するし、そのためにちゃんと練習もする。
昨日と一昨日は10km走った。誰にも何も言われていないのに。
生魚も嫌いだったし、椎茸も嫌いだった。
椎茸に限らずきのこ類全般大好きで、おそらく我が家のきのこ類は私が好きだから補充されている。
高菜なんて、ついこの間まで目の敵にしていた。
けれど今じゃ目の敵にする程ではないなと思える。
辛子高菜ならいけるし。
ていうかあれだ。そもそも私は人と話すのが好きではなかった。他人に興味がなかったって言ってもいい。
なのに今じゃ飲み屋をやっている。カウンター商売で接客バリバリだ。人と話してなんぼだし、他人に興味がないと商売としてやっていけない。
同級生にも当時の先生にも意外がられる。そりゃそうだ。やってる自分だって意外だと思っている。おそらくこの世で一番そう思っている。
こうして考えると、昔は嫌いだったもの苦手だったものが今の私の何割かを構成しているんだなって気付く。それも結構な割合で。
歳をとって好みが変わっただけって話ではない。それまでの人生がひっくり返ったようにさえ思えるレベルだ。
人生って不思議。人生っておもしろい。
これから先も嫌いなもの苦手なものが大好きになるのかな。
そうなれば私の人生は今よりもっとおもしろく、幸せなものになるな。楽しみだ。
あ、思い出した。ワイフと付き合う前までずっと「歳上の女性とは無理」って宣言していたし、結婚にも全く興味がなかった。
なのに今じゃ歳上のワイフと結婚して6年が経った。
やっぱり人生はおもしろい。
ごきげんよう。