"間ジャム"だったかな、夏の終わりを感じる歌特集を観ていて、今までも聴いたことあったはずなのに、その時に妙に耳に残った歌があった。
次の日からその歌のサビの部分を適当な歌詞で口ずさんでいた。
「なんとかーかんとかーなんとかーかんとかー」って。
それがフジファブリックの"若者のすべて"って歌。
ボーカルの志村正彦が数年前に亡くなってるってことや、残ったメンバーでフジファブリックを続けてるってことは知ってた。
だけど曲はあんまり知らなくて、"
モテキ"のOPの"夜明けのBEAT"くらいしかまともに聴いたことがなかった。
昔、"若者のすべて"って同じタイトルのドラマがあったよなーとか、歌詞に『若者のすべて』って出てこないんだなーとか思いながら聴いていたんだけど、歌い出しの『真夏のピークが去った 天気予報士がテレビで言ってた』って歌詞と、その後のメロディーのうねり方が独特で、すごく印象に残った。
あまりにも口ずさんでしまうので、たまらずCDを買ってしまった。
志村の死後に発売された2枚。"若者のすべて"収録のシングルコンプリート盤、"SINGLES 2004-2009"と5thアルバム、"MUSIC"。
志村が亡くなる前に書いて歌ってたと知って、改めて"MUSIC"収録の"夜明けのBEAT"を聴くと、その歌詞の未来への期待感に胸を打たれる。
バクバク鳴ってる鼓動 旅の始まりの合図さ
これから待ってる世界 僕の胸は踊らされる
"モテキ"のOPでは主人公が女性たちの担ぐ神輿の上でワッショイしていて、そんな祭りっぷりへのオマージュとして自分たちの
結婚パーティーの入場時にかけていたんだけど、今思えば歌詞がすばらしくマッチしていたんだな。
こうなると俄然興味が出てきて、WikipediaやYouTubeでいろいろと見たり聴いたり調べたりした。
するとフジファブリックにとって、ファンにとって、もちろん志村正彦にとっても特別な歌で、氣志團・綾小路翔との関係性も素敵な"茜色の夕日"が、にわかの僕にも特別な歌に聴こえてきた。
この時のMCがすっごくいい。
で、YouTube上のコメントでみんなが志村の歌が上手くないって言ってるのもいい。それでも伝わるっていう意味で言ってて、そこにちゃんと愛を感じる。
確かに下手だけど、そこがこの頃のフジファブリックの唯一無二性を際立たせていると思う。ロックの歌なんて上手い下手じゃないし。
でもまあやっぱり、今の僕には"若者のすべて"だな。
多分、来年も再来年も、何年経っても、夏が終わるなーって頃にフジファブリックを、"若者のすべて"を思い出して聴くんだろうな。
最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
うん、何年経っても思い出してしまうな。
ごきげんよう。
そのうち消されるかもしれないけど、奥田民生との関係やらこのライブの日にちやら諸々を知った上で聴いたら号泣必至の"
茜色の夕日"。