谷口ジロー著、"犬を飼う そして・・・猫を飼う"。
ずっと犬を飼いたかった主人公は犬を飼うために郊外の一軒家を借りた。夫婦とタムタムと名付けた犬との生活が始まった。それが14年前の話だ。今ではタムタムも老いてしまって大好きな散歩もままならない・・・。
という冒頭の"犬を飼う"は1992年の作品で、著者の"犬を飼うと12の短編"にも収録されている。今作はその"犬を飼うと〜"収録作品の一部を抜粋し、エッセイを加えて再編集した新装版。
続く"そして・・・猫を飼う"では愛犬を失った悲しみから、もう二度と生きものは飼わないと思っていたところに縁あって猫がやってきて・・・って話。
その後も犬と猫の物語が続き、最後のエッセイでは"犬を飼う"を描くことになった経緯が記されている。
犬と猫への愛が、それもただのかわいいかわいいってだけの上っ面の愛じゃなく、死を看取るってところまでが【飼う】ってことだと確信している真の愛が描かれている。
けれどその真の愛がリアルに描かれ過ぎていて、ペットロスを経験した人にはちょっと辛いかもしれない。
でも生きものを飼うってことはそういうことなんだよなーと改めて思った。
世界中の犬と猫が長生きしますように。元気で、幸せで暮らせますように。
そう願わずにはおれない。