NHK大河ファンタジー、"精霊の守り人 最終章"。
タルシュ帝国の王子・ラウルが大軍を率いて海を渡り、領地拡大のために新ヨゴ国に攻め入ろうとしている。新ヨゴ国の皇太子・チャグムは隣国であるカンバル王国、ロタ王国と同盟を結んで対抗しようと画策。チャグムは短槍使いの女用心棒・バルサと共にカンバルを目指す・・・。
シーズン1こそおもしろく観たものの、シーズン2はちょっとトーンダウン。アスラのエピソードが私的にはイマイチだった。ただアスラパートが終わって、シーズン1からおなじみのチャグムパートになったら俄然おもしろく観た。
そしてまた時が経ち、シーズン3にして遂に最終章。
序盤からカンバル国王とバルサの因縁の対決があって物語は白熱。しかもバルサの父親とジグロ、さらにはユーカという女性との関係性が詳細に描かれて胸熱。
その辺を踏まえてからバルサとジグロの関係性を思うと感動がより深まる。ジグロは自身がとった行動にずっと疑問と後悔を感じていた。けれどそれがバルサを不幸にしたかというとそうではない。
だがジグロとユーカはどうだったか?その問いへの答えはバルサの中にある。バルサが自身の今をどう思っているかでジグロとユーカが幸せかどうかが決まる。だからジグロとユーカも幸せだったんだ。今のバルサは彼女なりに幸せなのだから。
これは同時にジグロの行動が最善の方法だったのか?に対する明確な答えでもある。そんな2人の槍舞のシーンは泣けた。上の写真の第5話。
第6話以降は物語が大きく動く。そして理解する。
この物語はチャグムの成長の物語であると。
バルサにとってのジグロ、それがチャグムにとってのバルサ。だからバルサを主人公に据えながらも、ずっとチャグムの成長が描かれていた。
本当にチャグムは立派に成長した。自身で考え、そして行動し、カンバル王国とロタ王国を味方につけた。戦では恐れることなく最前線に立ってタルシュ帝国に向かっていった。それでいて父である新ヨゴ国の帝にはきちんと礼儀を尽くした。
先を見通す聡明さ、強い信念と行動力、他者への礼儀を備えた人の上に立つべき存在になったと強く感じた。
最後、チャグムはチャグムが進むべき道を見つけた。
ということは、用心棒であるバルサはお役御免。1人で歩いてタンダの家に辿り着いて「ただいま」『おかえり、鳥の鍋ができてるぞ』って流れからの、家の前に置かれた槍。長かったバルサの戦いが、旅が、やっと終わったんだなと思った。
おつかれさま、バルサ。