
長岡弘樹著、"教場2"。
【第百期短期過程警察手帳貸与式】の最中、桐沢篤は欠伸を噛み殺している。警察学校に入校から1ヶ月、桐沢が所属する風間教場の学生数が39名、同期の荒川教場も同数だから合計78名が、1名ずつ校長から警察手帳を受け取る・・・。
『必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじきだすための篩(ふるい)』である警察学校を舞台にした連作集。"
教場"の続編。
警察学校の内幕ものというテイストも不穏なトーンも前作同様の真っ当な続編。
ストンと幕を閉じる展開もそのまま。でも次章でその先が描かれていた前作のような見事な構成は少ないように思う。
そして風間教官が生徒を辞めさせることになる話も少ないような。
そういう意味では前作より犯罪度が弱め。犯罪というよりも倫理的にどうかという物語に寄っている。
全くハッピーな話じゃないし、爽快感もない。風間教官に感情移入もできない。
けれどやはり惹き付けられる。これは文章の巧みさゆえだろう。
私のハートをズドンと撃ち抜きはしないけど、じわじわとくるものがあるのは間違いない。
続編となる"教場 0"では風間教官が殺人現場に臨場するらしい。これはまた楽しみだ。