スティーヴン・S・デナイト監督、"パシフィック・リム アップライジング"。
太平洋の海底の裂け目を破壊して人類が怪獣に勝利してから10年が経った。世界は平和を享受しているが、完全復興にはまだほど遠い。
人類のために犠牲になった英雄スタッカー・ペントコストを父親に持つジェイクは、壊れたまま放置されているイェーガーの部品を盗もうとして・・・。
前作から10年後の世界は怪獣がいなくなった世界。だけどそこかしこに過去の激しい戦いの傷跡が残されたままになっている。
そんな感じで始まったら、いきなり少女アマーラが乗る小型イェーガー【スプラッター】が画面狭しと大暴れ。これが痛快。
頼るもののない孤独な少女が、その孤独さゆえに人並みはずれた能力を身につけて大人を出し抜く話が大好物だと気付いた。
前作の監督であるギレルモ・デル・トロは"
シェイプ・オブ・ウォーター"に集中したかったからなのか、まさかの監督交代でデル・トロは製作総指揮の立場に。
だもんでどうしてもオタク度は薄まってしまっていて、怪獣にしろロボットにしろ、その造形と関係性とアクションのいずれも前作よりハリウッドナイズされてる感じは否めない。イェーガー同士の戦いは"トランスフォーマー"みたいだったし。
って、"トランスフォーマー"観たことないけど。しかも若き訓練生たちそれぞれを細かく描くこともなく、突っ込みどころも満載で、つまりは物語の運びがかなり粗い。
けれどその分、スピード感はスゴい。全くダレることなく2時間があっという間。これは編集の妙だと思う。物語の厚みや深みよりもスピード感を重視した編集。これはこれでアリだと思う。
なので結果、おもしろかったという印象。わちゃわちゃロボット映画として。
ラスト、次作を作る雰囲気をビンビンに出していたので、その際にはデル・トロ監督再登板でよろしくお願いしたい所存。
"
パシフィック・リム アップライジング" ★★★★