
今村昌弘著、"屍人荘の殺人"。
まずこの帯。この3冠を獲ったってことは、要は2017年の最もおもしろいミステリー小説だということ。加えて第27回鮎川哲也賞受賞作だなんて。
けれどタイトルからして本格推理ものなのは明白。あんまり読まないジャンルだけどどうかなーと思いながら読んでみた。
案の定、冒頭に部屋の見取り図、登場人物の紹介、そして思わせぶりな手紙。からの本文。
しかも本文の1行目が『「カレーうどんは、本格推理ではありません」』で始まって大学生、学食、探偵気取り、ミステリ愛好会、映画研究部、夏合宿と正に本格推理ものの王道!
あまりの王道っぷりに、なんでこれが3冠?と訝しみながら読み進んだ。
そしたら第三章でヤラレた。いろんな裏切りと驚愕。呆然と言ってもいい。
そして第四章で新たなる完成形を見た。
帯にある『前代未聞のクローズド・サークル』は伊達じゃなかった。マジ前代未聞!
しかも、それだけ広げに広げた大風呂敷を最後に見事にきれいに畳みきった。美しいほどに。
書けないことが多過ぎて普段より短い感想文。それも致し方ない。
読めば分かります。
ごきげんよう。