昨日のつづき。
1週間が経った。正確には1週間と1日。ちゃんと覚えてる。
まだ早い時間、8時半くらい。奥のテーブルにカップルが1組だけいらした。
ドアが開いて『2人ですけどいいですか?』って大柄な男性。はい、どうぞーなんて言いながら見たら、あら!先週のブラントンとコーヒーの方!
今回はお2人だからカウンターに。
この時点でちょっとうれしい。本当に気に入ってくれたんだなーと思って。
オーダーは前回と同じ。ブラントンのロックにちょっとだけソーダ、それとコーヒー。
聴けば本当にコーヒーがお好きみたいで、仕事に行く前にご自分でコーヒーを淹れてポットに入れて持参するんだそう。ご自宅の近くにお気に入りのコーヒー屋さんがあって、家ではそこの豆を挽いて、出先では1杯分ずつドリップできるパックをたくさん持参して、海外出張で切らしてしまったら日本からいらっしゃる方にお願いするという徹底っぷり。
話を聴けば聴くほどコーヒーがお好きなんだなと思えた。
で、おっしゃるに、鹿児島に来ていろんなコーヒー屋さんに行ってみたけど、どこで飲んでもおいしいと。なんでかって考えた時に、これは鹿児島の水がおいしいからに違いないと。
ご自身は新潟の出身だそうで、新潟も水がうまいんですと。水がうまくなきゃ米はうまくない。米どころなのは水がうまいからなんですと。
なるほどー!
そこからの流れで当然のように弊店の店名の話になったので、いつものように説明をした。
「珈琲と洋酒」ってのは要はカフェバーってことなんですけど、カフェバーってするとどうしてもイメージが軽くなると思ったので、そのまんま「珈琲と洋酒」ってしました。「水」っていうのはコーヒーとお酒と両方お出しするので、両方に共通していて基本だからってことです。
するとその方がおっしゃった。
『ちゃんとしたバーのお酒と、ちゃんとしたコーヒー屋のコーヒーが飲めるこんな店なんてないですよ。だから僕にとってはとてもいいんですよ!』
この方、ちゃんと分かってくれてる!そうそうそう!そうなんです!私がやりたくて、そして今やってることはそういうことなんです!
2回目なのに弊店のコンセプトの肝の部分、存在意義と言ってもいいくらいの部分をきちんと理解してくれていて、しかもきちんと評価してくれている。
この言葉を聴いた瞬間、本当に本当にうれしかった。こんなにうれしいことなんてそうない。ってくらい、うれしかった。
なので名刺をお渡しした。またいらしてください!って気持ちを込めて。返ってきた言葉は『いただきます。あ、でももう場所覚えましたから。』だった。
そして『また来ます!』っておっしゃって帰っていかれた。
この感じ、社交辞令じゃないなと確信した。
けれど今回の鹿児島滞在は終わったそうなので、しばらくはいらっしゃることはないみたい。
でも絶対にまたいらっしゃる。今からその日を心待ちにしている。
おわり。
ごきげんよう。