速水健朗、円堂都司昭、栗原裕一郎、大山くまお、成松哲共著、"バンド臨終図巻 ビートルズからSMAPまで"。
冒頭に『本書は古今東西のバンド、グループ、ユニット、総勢191組の解散理由を調査し、集めたものである。』とあり、タイトルは山田風太郎の著作、"人間臨終図巻"にインアスパイアされたもの。
1960年代結成のバンドから年代順に記される構成になっていて、古くは洋楽勢が多く、新しくなるに従って邦楽勢の割合が大きくなっていく。
好きなバンド、知ってるバンドもあれば、知らなかったバンド、興味がなかったバンドもある。でもどのバンドにも物語があって、どのバンドにも解散の理由がある。
今まで興味がなかったけど、これを読んで興味が出てきたバンドもいる。
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのデビュー作は持ってるけど、あんまり聴いてなかった。けどこれを読んでなんとなく聴き直してみた。そしたらすっげーカッコいい。しかも!あの空耳アワーの曲が収録されてるってとに気付いた。それも最初の2曲が2013年と2016年の空耳アワードグランプリ受賞曲。
パン!パン!夜食のパン
ナゲット割って父ちゃん
もうこの2曲を聴いてもこのフレーズしか耳に残らない。最強のフレーズになってしまったな、これ。
そんなことを確認するためにこの本を読んだわけではないんだけど、まあ副産物みたいなものか。
私が今もって世界で最も好きなバンド、ミッシェル・ガン・エレファントのことも書いてあるけど、正直、これなら俺の方がもっと詳しく書けると思った。でもそんな作りの本じゃない。
筆者たちの主観を交えず、メンバー本人たちへの新たな取材もせず、メンバー及び周辺関係者たちがいろんな媒体で語っていたことを収集して検証して記載するという作りになっている。ある意味公正な作り。
だから1つ1つのバンドにしたら物足りなくもあるけど、広く浅くってことで言うとおもしろい1冊と言える。PYGってバンドにジュリーとショーケンがいたとか初めて知ったし。最後の黒木渚なんて最近のバンドのはずなのに全然知らないし。
まあ、なんにしてもバンドはいいな。なんつーか、夢がある。だから再結成できるバンドはみんな再結成しろ。誰かが死んだらできないんだから。みんなが生きてるうちに再結成しろ。とりあえずブランキー・ジェット・シティーはしろ。さっさとしろ。そしてツアーしろ。行くから。むきだしのチェーンジンジン響かせメチャクチャな髪を風になびかせながら行くからー!
ごきげんよう。