
テレビ朝日ドラマ、"BORDER"。
警視庁捜査一課の刑事、石川安吾は拳銃による殺人事件の捜査中に頭部に被弾。奇跡的に一命を取り留めるも銃弾は頭部に残ったまま。その銃弾が脳のどこかを刺激して何かが覚醒したのか、石川は死者と対話する能力を備えた・・・。
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CRISIS 公安機動捜査隊特捜班"が終わったタイミングでテレ朝がここぞとばかりに番宣を仕掛けてきた、同じく金城一紀脚本、小栗旬主演の"BORDER"。
年内に続編を放送するそうで、その前に期間限定ながら前作を一挙に無料配信とのこと。これは観なきゃ!と勇んで観てみた。ていうか、なんで観てなかったんだろ?2014年だと積極的にテレビドラマを観てるはずなのに。謎。
そんなわけで一挙に最終話の9話まで駆け抜けた。おもしろかったー。
今となっては結構な豪華キャストで検視官が、まだあさが来てない頃の波瑠 a.k.a.みっちゃん、

相棒的な刑事が"
地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子"でも好意ある女性には荒く接しがちだった青木崇高、班長が遠藤憲一(エンケン)、石川をサポートするのが浜野謙太(ハマケン)、野間口徹、滝藤賢一(タキケン?)、古田新太という面々。ほんとナイスなキャスティング。
死者と対話できるっていうぶっ飛んだ設定で、だから殺人事件があっても直接被害者に犯人を訊けるからすぐに解決できるわけで。・・・なんてのも最初だけ。なんともうまい具合に仕掛けがしてあって、簡単に解決できないところがおもしろい。でも最終的にちゃんと解決しちゃう。そんな1話〜4話。
そしたら真ん中の5話がなんとも不思議なテイストの回で。

出ましたクドカン。これがもう本当にぴったりのキャスティング。そしてこの回に限っては事件ですらなかったという、しみじみほのぼのした話。とてもよかった。内容は真逆なのに
"カルテット"の6話を思い出した。
ここで私は気付いていた。全9回のこの"BORDER"。真ん中のこの5話はインターリュードで一旦休憩みたいなもので、ここから先は4話までとは違ったテイスト、おそらくはヘビーなテイストに舵を切るんであろうことに。
案の定だった。
7話なんてタイトルが"敗北"だもの。しかも敵が中村達也よ。

最強で最凶で最狂なの間違いないでしょ。そりゃ敗北しちゃうでしょ。
8話で物語の根幹である大きな謎が解決したと思ったら9話、最終回にして絶対悪の登場。

演じるのは大森南朋。もう文句のつけようがない。
そしてラスト、やっぱりそうなるか、やっぱりそうなるよな、"越境"だもんな。これまた悲しきエンディングだけど、なぜか"CRISIS"の時みたいなドラマ作品に対する憤りはなかった。
なんでだろ?と、ちょっと考えた。んで思った。
おそらく演出のせいだと思う。テレ朝チームの演出は手堅い。あまり遊びがないっていったら語弊があるかもだけど、物語をきちんと物語ろうとする姿勢がとても真摯だ。余計なものがない。
だからバッドエンディングでも受け入れられた気がする。最初からきちんとそういう作り方をしてあったから。
でもでもでも。
"BORDER2 贖罪"は、このラストからの続きになるらしい。どうする?どうなる?石川安吾。
期待しかない。
"
BORDER" ★★★★☆