
ジェームズ・ワン監督、"ワイルド・スピード SKY MISSION"。原題は"Fast & Furious 7"。
病院で意識不明のオーウェン・ショウに語りかける男はオーウェンの兄、デッカード・ショウだった。ドミニクはレティを連れてレースに出かけるも、記憶の戻らないレティとの関係に悩む。一方でブライアンは息子を車で送るも、慣れないファミーリーカーの運転に苦労する。
ドミニクにデッカードから電話がかかってきて・・・。
なるほど、狙われる設定ってのは「あり」だな。だからみんな集まるってのも「あり」。
だけどそっちをする引き換えにあれやってくれ、そしてそのためにこれやってくれってなると、なんかRPGみたいだなと思ったり。
でももうここまできたら割となんでもOKな気がしてる。ドミニクたちが大暴れする舞台さえ用意してくれるのならば。
全体的にシリアス。前作までの456が3部作で、新たな幕開けだからってのもあるだろうし、監督が代わったってのもあるだろう。とにかく前作までとはトーンが違う。
ドミニクが車を改造するにあたって『速くなくていい』って言ったのにも前作までとの違いを感じた。
とはいえアクションシーンはやっぱり最高で、とどまるってことを知らない。車を飛ばすかね。それもあのパターンとこのパターンで。
ラストの攻防はなんとなく画が地味な気がしたんだけど、あれかな、敵が小さかったからかな。前作で大きいの出し切っちゃったからなー。小さいけどすんげえ強いんだけどな。なんか地味だな。夜だからかな。
なんて思いながら観てて、一件落着して、それでもおもしろかったなーと思ってたわけ。
そしたら・・・。
みんなして海辺でしんみりですよ。なんかもう今までにないくらいのしんみりですよ。あのローマンでさえしんみりですよ。
おいおいどうした?これはなんだ?最終回か?別れか?決別なのか?
って頭を巡らしていてハッ!となった。
ブライアン役のポール・ウォーカーが亡くなってたんだってことを思い出した。
そう思って観たら、この海辺から始まるラストシーンのなんと悲しいこと。そしてポール・ウォーカーへの愛に満ちていること。友情を超えた兄弟、家族に対する眼差しや語りかけ、ドラマを超えたメッセージ。
空撮の2台の車、泣ける・・・。
ポール・ウォーカーは今作の撮影中に自動車事故で他界。彼の弟2人が代役を務め、CG合成などして今作は完成した。

俺もさよならは言わないぞ、ポール。