弊店には同級生がよく来る。
それはまあ、ままあることとして。
弊店には同級生のご両親もよく来る。
小さい頃から知ってたり、大人になってから知り合ったり。
正直、ご両親っていうのは品が良すぎる言い方で、僕の意識としては父ちゃん母ちゃん。
そんな中で足繁く通ってくれる父ちゃん母ちゃんがいたりして。
最近は足が遠のいてる御大や、僕のことを大将って呼ぶ父ちゃんたち。
父ちゃんたちって、来たら来たで普通に年配のお客さん。話すことも態度も、結構普通に年配のお客さん。僕にとっての同級生、つまりは自分の息子とか娘の話にほとんどならない。
それはそれでいいし、それはそれでおもしろい。
じゃあ母ちゃんたちはどうか。
これが父ちゃんたちとは全くの逆。僕にとっての同級生、つまりは自分の息子とか娘の話をたんまりする。もちろんそれが会話の全てではないけれど、たんまりする。しかもだいたい愚痴。自分に構ってくれないだの、もっとこうすればいいのにだの、嫁がどうだの孫がどうだの。
それを同級生である僕に聞かせて、直接はもらえない答えを、同級生だから価値観が近しいであろう僕に擬似的にもらおうって算段っぽい。
つまり、母ちゃんたちはいつまで経っても我が子に興味津々で、どんな形であれ、どんな答えであれ、そのリアクションを心待ちにしてるってこと。これは間違いない。
今日はそんな同級生の母ちゃんの話をたっぷり聞いた。
娘の話から孫の話から娘の元夫さんの話から、母ちゃんの出自から夫さんの出自から母ちゃんと夫さんの慣れ初めから。
たっぷり聞いていろいろ感じていろいろ思っていろいろしゃべって、結果、今言えるのは、母ちゃんはやっぱすげーなってこと。偉大。
そんなにいろいろ考えながら、そんなにいろいろやってたら、体も頭も心も持たないって。普通。
だから、それをずっとやってる、やりこなしてる母ちゃんが愚痴るのも、そりゃー全然仕方ない。ていうか、愚痴っていいよ。俺でいいなら全然聞くし。ウェルカム愚痴。全然聞くわ。
天文館での飲み歴が長い母ちゃんだから、こんな風にここに書いたら、次に来た時に『あんた、何書いてんのね!飲み屋のマスターが聞いた話を他言するもんじゃんないでしょうが!』って怒られそうだけど、今日はリスペクトしかなかったから書いちゃった。
しかもあれでしょ、明けて今日って母の日でしょ。ちょうどいいじゃない。
本当に、本当に僕の心の底からの言葉。
世界中の母ちゃん、もちろん母ちゃん歴何十年の大ベテランから昨日今日なりたての新米母ちゃんまで、母ちゃんはみんな、すげーよ。
だからありがとう、母ちゃん。
皆様もよい母の日を。
ごきげんよう。