お客様とテレビの話をしていまして、KAT-TUNに始まり今のバラエティー番組、過去のバラエティー番組、”笑ってポン!”からビートたけし、立川談志に古今亭志ん朝と、気付けば落語の話になっていました。
なんでもその方は人情話がお好きだそうで、『”芝浜”なんかいいよねぇ。』とおっしゃいました。
私も落語のCDは何枚か持っていますが(なんと¥100ショップで買いました)、”芝浜”は聴いたことがありません。ただ、ドラマ”タイガー&ドラゴン”で”芝浜”の回がありましたので話だけは知っていました。
先日CDショップをうろうろしていますと、古今亭志ん生の”厩火事”と”芝浜”が一枚に入っているCDを発見。マスト・バイの一枚です。
まずは”厩火事”。妻が旦那の愛を確かめようと策を弄する話。さげは旦那の冷たい一言ですが、その裏には妻への愛情表現を照れくさくて素直にできない様が見てとれます。
私は『おまえさん、唐(もろこし)だよぉ。』とうれしがる妻に涙。かわいすぎ。
そして”芝浜”。酒飲みの旦那が拾ってきた財布を三年間隠し続け、旦那には酔っ払って寝てる間に夢をみたんだと信じこませた妻。三年経った大晦日、旦那は酒をピタリとやめて仕事に精を出し、家は見違えるほど豊かになりました。ずっと罪悪感にさいなまれていた妻は、一切合切を旦那に話します。旦那は許すもなにも、妻に最大級の感謝をします。今の自分、生活があるのは妻のおかげだからです。
妻は言います。『今日くらいはあんたの好きな酒をお飲みよ。今まで我慢してたんだ。たくさんお飲みよ。』
旦那も喜んで『そうかそうか、久しぶりに一杯もらおうか。』
と、口につけるところで飲むのをやめる旦那。
『どうしたんだい?おまえさん。』
『おれは飲まねぇよ。
また夢になっちゃいけねぇ。』
涙、涙・・・。ほんといい話。妻と旦那、お互いの愛情がひしと感じられます。
私もなんかいいことがあったら浮かれて飲むんじゃなく、夢になってしまわぬようにシラフでいることにしましょう。(と、できそうにないことを書いてしまうのもまた一興。)