日曜日の立川談春独演会2016@鹿児島県民交流センター。
県民ホールという600人近く収容できる落語には広めの会場。今、日本で最もチケットが取りにくい落語家なんて言われてるけど空席がありますね・・・ってところからの枕。
というかなんというか、いわゆる枕って感じよりはフリートークな感じ。ネタに入る時も小咄をやりますね!って始まったし、その始まった最初の噺、"山号寺号"が終わってからも下がらずにそのまま再びフリートークに。しかも休憩を挟んで後半にやる噺は"文七元結(ぶんしちもっとい)"だと宣言してから下がっていった。
これ、いろいろと初体験のスタイル。
フリートークは最初こそ探り探りだったけど、噺の後の『佃製作所の殿村です!』がドーンとウケてからは『あ、こういうことか!』って言ってノリノリトーク。TBSドラマ"下町ロケット"の敵対する共演者が春風亭昇太とそのまんま東で、TBSの大それたドラマっつったって出てんのは談志の弟子と柳昇の弟子とたけしの弟子じゃねーか!って。
それと徹子の部屋に出た時の話が特におもしろかったな。言葉にできなかった心の中だけでのツッコミ、最高。
自身の著作がドラマ化された"赤めだか"での主演のニノを努力を努力と思わない役者、ゆえに天才だと賞賛し、ドラマの中でニノが熱演した(んだろう、観てないから分からないけど)噺である"文七元結"を後半でやりますって流れに。
仲入り。
いきなり、もう高座に着くなりいきなりネタに入っていた。宣言していたから枕なしで。
"文七元結"は2011年の
立川志らく独演会で聴いていたから大筋は知っている。でも志らくの時は後半部分だけだったと思う。今回は1時間超の長尺バージョン。笑いとしんみりのバランスがいい具合だった。
それぞれのキャラクターをすごく丁寧に演じ分けていて、気合いの入り方が前半とは違うように感じた。中でも女郎屋の女将のしゃべり方や間がとても雰囲気があってよかった。
最後、分かっていたのにちょっと泣けた。この辺が落語の落語たるところ。何回聴いてもいい話。てことは、いい噺。この"文七元結"が聴けただけで来てよかったと思えた。
来年も来るかな。また行きたいな。落語ってすばらしい。
ごきげんよう。