NHKドラマ、"
洞窟おじさん 完全版"。
7月に2時間ドラマとして放送されたものの完全版。1時間ドラマが4週に渡って放送された。
田舎の貧乏な家の生まれの加山一馬。両親から兄弟の中で1人だけ毛嫌いされて疎外され、家に居る場所を見いだすことができずに13歳の時に家出をする。どこへ行くあてもなく、仕方なく山の中の洞窟で暮らし始める。そして数十年の時が過ぎ・・・。
43年間を1人で生き抜き、見つかった(?)時は57歳で、しかもそれがついこの間の平成15年(!)の話で、そしてそしてこれがほぼ実話という衝撃。いろいろスゴい。
第2話の前半、若かりし頃の洞窟おじさん(演じるのは中村蒼)が、たまたま見つけてくれた老夫婦に徐々に心を開いていくも、結局のところ・・・ってエピソードで涙。老婦人役の木内みどりがとてもとてもよかった。
昨日の最終話。
大人になって施設に入った洞窟おじさん(演じるのはリリー・フランキー)は、初めてとことん世話を焼いてくれる人に出会い、いろいろと変わっていく。
最後のシーンのおじさんの台詞がとてもよかった。
『このブルーベリーは、自分で食うために育てたわけでも、金稼ごうと思って育てたわけでもねえんだ。人、喜ばせようと思って作ったんだよ。これ買った人が「おいしい」って言ったら、それ最高なんだよ。
大して腹にもたまんねえし金にもなんねえけど、なんで嬉しいのかもわかんねえけど、なんか嬉しいんだよ。』
飲食業で個人で店やってて、思うことは本当にこういうこと。お金を稼ぐためだけなら別の仕事してる。
そしてこれに続いての台詞もまたよかった。
『ありがとうな。最後まで見捨てずにいたのはあんただけだよ。
あんたに会えて初めて、生まれてきて良かったなって思えたよ。生きるって楽しいんだな。ありがとう。』
エンドロールで見たことない普通のおじさんが出てきて、ん?って思ったけど、あの人が本物の洞窟おじさんなんだな。手のひらにブルーベリーのっけてた。いい笑顔してた。生きるって楽しいって顔してた。
原作本、読んでみようかな。
ごきげんよう。