
深川栄洋監督、"先生と迷い猫"。
美容室のソファーで寝てる猫。起き上がって外へ。『お出かけ?たま子。』と美容室のマダム。猫はズンズン歩いていく。小さな町を我がもの顔で歩いていく。いろんなところで声をかけられ、かわいがられる猫。ただ1軒の家を除いては。猫は、町のみんなから校長先生と呼ばれている老人には煙たがられていた・・・。
映画館で観る予定はなかった。たまたまチケットをもらったので観に行った。だから正直な話、そんなに期待はしていなかった。
冒頭、タイトルが出るまでの間、猫が町を歩いていく姿を延々と映しているシーンで、あら!?これ、おもしろいんじゃないの!?って思った。猫の姿、撮り方がとてもいい。
タイトルが出て、物語が始まった。・・・途中、気付いたら泣いていた。
イッセー尾形、
一人芝居の時みたいな特殊な存在感。映画の主人公としてはちょっとあんまりじゃないかなって思ったけど、でもそれは偏屈な【校長先生】ってキャラクターに合ってるとも思えた。何しろそこからの変化がとてもいい。
これは校長先生と猫の物語であり、町の人たちと猫の物語であり、校長先生と町の人たちの物語であり、校長先生と奥さんの物語。生きるとか死ぬとか愛とかなんとかってことがサラッと、猫のかわいさや愛くるしさを散りばめた上に描かれている。
しっかり2時間くらいあったんだけど、最後の最後、まだ終わらないでって思った。あと20分、いや15分でいいから、この物語の先を観せてって思った。急にやってきたエンディングに気持ちが追い付かなかった。
今まで膝の上でグルグル喉を鳴らしていた猫が急に素に戻ってどっか行っちゃった、みたいな感じで。
世界中の猫が幸せでありますように。
"
先生と迷い猫" ★★★★