この間の土曜日の午前中のこと。携帯が大きな音で鳴りだして、まだ寝ていた僕はビックリして飛び起きた。画面を見ると桜島がどうのこうのって書いてある。急いで窓から桜島の方向を眺めたが何もなし。落ち着いてもう1度携帯の画面を見た。桜島の噴火警戒レベルが今までの3から4に上がったから注意しろって内容だった。
今週の土曜日は鹿児島市で年に1度の大花火大会の予定だったけど、今日中止との発表があった。桜島先輩がいつ大きな噴火をしてもおかしくないこの状態じゃ賢明だと思う。残念は残念だけど。
こんなことになっても僕は桜島先輩のことを嫌いにはならない。多分、鹿児島に住んでる誰しもみんな同じ気持ちだと思う。
そんな昔でもないと思うんだけど、誰が最初に言い出したんだろう。「桜島先輩」って。これってものすごく言い得て妙な表現だと思う。
桜島様でも桜島殿でも桜島先生でも桜島社長でも桜島さんでも桜島くんでも桜島ちゃんでも桜島どんでも桜島ベイベーでもなく、桜島先輩。
生まれた時にはあったからもちろん歳上。そして存在感あるしカッコいいし有名だし地元じゃヒーローだし。
だけど、だけど灰を降らすんだよな。たまにだけど。これで灰さえ降らさなきゃ完璧なんだけどな。
ここが、ものすーごく先輩っぽい。地元の先輩っぽい。
中学校の1コ上で今じゃ青年団のリーダーやってて、統率力とか実行力もそれなりにあって、あの先輩に何か言われたら従うしかねーなって存在なんだけど、ただ、呑んだらすげー酒癖が悪い。みたいな。あれさえなきゃ先輩、完璧なのにな。的な。
かといって酒癖が悪いせいで嫌いになんかならないし、多少は迷惑だけど、でもむしろそのせいで人間性が際立って実は親しみがわいてる。ってな感じ。
なんかちょっと欠けてる方が愛嬌あるじゃん。ってこと。だから灰を降らしてこその、噴火してこその僕らが愛すべき桜島先輩なんだよなー。
んだけど今回、さすがにあんまり大き過ぎるのはやめてね、桜島先輩。
ごきげんよう。