
昨日の日曜日、桃月庵白酒独演会へ。
白酒師匠の落語を観るのは一昨年の
独演会、昨年の
親子会に続いて三回目。
一昨年に"牛ほめ"をして、昨年は"子ほめ"をしたから今年は何ほめかなーと思いながら(多分それはない)会場の黎明館へ。
いつものように結構長めの枕は、ゆるキャラのような見た目とは正反対でピリッとスパイシー。テレビやラジオ、CDじゃ聴けないような毒がぽろぽろ出てきておもしろい。
そして演目へ。
床屋さんの待合室で将棋をさしたり本を読んだりの"浮世床"。
全く進まない本の読み方という技術。あの表情と言い回しが白酒師匠の真骨頂だなーと思う。本人も自信があるんだろうな。じゃないとあんなにしつこく繰り返さないもんな。
だんだん飽きてくるんだけど、しばらくしたら前に輪をかけておもしろくなるという繰り返しの妙。
次は長屋を舞台にした"お化け長屋"。
長屋の古狸が大家ともめたもんだから、部屋を借りにきた人に怪談話をして借りさせないようにする滑稽噺。
二人目のキャラが白酒師匠らしい。古典をちゃんと自分のものにしてるなーと思う。途中にカタカナ言葉が入ってくるあたりのアレンジも秀逸。
仲入り。
最後はちょっと長めの噺。演目は"松曳き"。
粗忽者の殿様。それに遣える老中の田中三太夫。殿が粗忽者だからこの三太夫はしっかり者・・・という定型に則らず、この三太夫が殿以上に粗忽者。まさかのWボケ。途中で呼ばれた植木屋の八五郎がちょっとツッコめたくらいで、基本的に二人はボケっぱなし。
このボケ合戦がすーっごくおもしろかった。ゲラゲラ笑った。ずっと観ていたかった。もう三太夫LOVE!!『戻ったぞ。』『何奴じゃ?』『何用じゃ?』すげーマネしたい。
白酒師匠、ああいうボケてボケてってタイプの噺がピッタリ。ほんとおもしろい。大好き!
やっぱり落語はおもしろい。前のブログを読み返したら、これ、毎回書いてる。てことは真理だな。
帰り際、今日の演目が書いてあるホワイトボードを写真に撮っていたら、小学五年生くらいの男の子とお父さんが目の前に来た。男の子が演目を見てお父さんに言った。
『ほら、やっぱり"浮世床"だよ。』
男の子、かっけー!もしかして未来の噺家さん?白酒師匠に弟子入りしちゃう?何十年かしたらここで独演会?
なんて思いながら帰路についた。また行こ。
ごきげんよう。