ジェローム・サル監督、"ケープタウン"。原題は"ZULU"。
南アフリカ共和国のケープタウン。人種差別の名残が色濃く残る都市。幼い頃に父親を目の前で焼かれたズールー人のアリは刑事になりチームを率いている。少女の惨殺死体が発見され捜査を開始する・・・。
アリを演じるのはフォレスト・ウィテカー。アリのチームの酒と女にだらしない刑事・ブライアンを演じるのはオーランド・ブルーム。内容的にはフォレスト・ウィテカーが主演なんだけど、クレジット上はオーランド・ブルームが主演ってことになっている。
これはどうなんだろ。知名度とかお客さんを呼べるかどうかって理由なんだろうけど、黒人と白人の人種差別問題が根底にある映画でそれはないだろうと思う。かなり違和感を感じる。
物語はかなり悲惨で陰惨。またそれ以前にケープタウンという都市がエグい。
治安の悪さは有名だけど、それを映画、フィクションという形とは言え目にすると、ここまでか・・・と思う。警官でも無力さが漂うあの感じ。街全体が足を踏み入れちゃいけない場所になってるあの感じ。ケープタウン生まれドラッグ育ち、悪そうな奴はだいたいそれ以上に悪いあの感じ。
そんな街でのさばる悪い奴ら。そしてその陰で糸を引いてるさらに悪い奴ら。観ながら溜息が出た。
なんか「みんな幸せになればいいのに!」と願わずにはおれない。そんな映画。