
ウェス・アンダーソン監督・脚本、"グランド・ブダペスト・ホテル"。
作家は物語を無から作り出すのではなく物語の方から寄って来るのだと、ズブロフカ共和国の著名な作家は言った。"グランド・ブダペスト・ホテル"という作品の成り立ちもそうだった・・・。
最初、入れ子構造的な作りに戸惑う。どこが物語の端緒で誰が主人公なのか戸惑う。観終わってしまえばよくできた作りだなーと思うんだけど。
毎度毎度セット、大道具、小道具、衣装がすばらしいウェス・アンダーソンだが、今回は1930年代のホテルや城が舞台ということで、いつにも増して作り込み度がスゴい。そして欲しくなるグッズが満載である。GBって書いてある灰皿とかLOBBY BOYの帽子とか、あとあれ!私立探偵の革ジャン!欲しい〜!
と、視覚的な要素にばかり目がいくウェス・アンダーソンだけど、今作の物語は淡々と進むミステリーコメディ。主人公の名コンシェルジュ・グスタフは一見するとヒドい老女たらし(!)だけど、彼がただただ純粋な老女たらしであるところがいい。あれでいてヨコシマな部分がないから好感が持てるし、だからこそ観た後の気分がいい。
それとこの作家を語り手にしたらばシリーズ化できるんじゃないのと思った・・・んだけど、特にシリーズにする必要はないか。そうか。
ごきげんよう。