ジョゼ・パジーリャ監督、"ロボコップ"。1987年のポール・バーホーベン監督、"ロボコップ"のリメイクでリブート。
近未来、デトロイトに本拠地を置くオムニコープ社製のロボットは世界の至る所で平和維持に貢献している。しかし本国アメリカでは、ロボットを規制するドレイファス法が施行されているため機能させることができない。
一方、デトロイトの刑事アレックスは相棒と一緒に武器密輸組織の内偵をしており、ボスらしき男と接触を図る・・・。
"ロボコップ"である。ポール・バーホーベン版をおもしろく観た世代としては、ちょっとした期待を持っていた。
けれど今作、期待したような人間がロボットになったことへの洞察、映画的なアクションといったものは2の次、3の次だった。
この映画が1番深く描いていること、強く主張していること。それは、企業は利潤追求のためなら政府へ規制撤廃を求めるし、その達成のためなら世論誘導を画策するし、自分に都合の悪い情報は隠蔽して都合のいい情報だけを大々的に謳いあげるものなんだってこと。
『ロボコップ』というキャッチーなキャラクターを用いて、そういった企業のブラックな部分をあからさまにしている。
オムニコープ社のやり口があまりに見事過ぎて、そして日本の大企業もこういう手口なんだよなーと思って、なんともやりきれない気持ちになった。電力会社なんてまんまでしょ。あ、電力会社だけじゃなくて今の日本政府もそうか。
観る前は「単純明快キャラクターものアクション、ちょっと哀愁あり」くらいのものだと思っていたので、こんな感想文を書くことになるとは自分でも予想していなかった。なんだかなー。
ごきげんよう。