松本大洋著、"Sunny"。現在5巻まで。
関西の片田舎にある児童養護施設、星の子学園は子供たちの声でいつも朝から騒々しい。いつもと同じような朝、横浜からキャップに眼鏡の頭の良さそうな少年がやってきた・・・。
松本大洋はずっと好き。ほとんど読んでるし持ってる。
"ZERO"は戦い続ける男が背負う無常観が切なくて、"鉄コン筋クリート"はもう胸が痛くなるくらいの名作で、"ピンポン"はものすごく熱い瞬間が弾けていて、"花男"はラストがとってもとっても好き。
そしてこの"Sunny"。
子供たちが哀しくて切なくて。かわいくて愛しくて。だからまた哀しくて切なくて。
眼鏡の新入生の名前は静(せい)。彼の名前と同じように静かなトーンで淡々と描かれていく物語は、星の子学園のみんなの物語だったり、1人1人についての物語だったり。設定が設定だから、どれもハッピーな物語なんかじゃない。
でも泣けるほど哀しいわけでもなくて。ただそれは彼や彼女が身につけざるを得なかった無理矢理な明るさやユーモアに起因してるんじゃないかと気付いて、より哀しくなったりして。
まだこの作品は続いていて、この後どうなっていくのかは分からない。
星の子のみんなにハッピーな人生が用意されてればいいな。
・・・絶対そんな展開にはならないって分かっていても、ちょっとだけそう祈りたくなる。
星の子のみんなは、そんな子たちです。