27、8歳の頃、まだショットバーで働いていた時、自分でお店をするためには開店資金が必要だから昼間にちょこっとバイトをしようと思い、当時の自宅の近くで週に3回くらいランチタイムだけのバイトを始めた。
そのお店は【わっぱ 杜の季】というわっぱ飯屋さんだった。
夜とは全く違う環境が新鮮でおもしろかった。賄いもあって一人暮らしの身には非常に有り難かった。
数ヶ月経って、僕はショットバーを辞めて以前働いていた珈琲店に戻ることにした。
すると勤務時間が昼からになるので杜の季でのバイトは無理。なので店長(杜の季ではオーナーのことを店長と呼ぶ)に近々辞めますって言った。
そしたら店長が『入れる日があったら週に1回でも来んね。夜だけでもいいから。』って言ってくれた。そうまで言われたら特に断る理由がなく、お言葉に甘えて本当に週に1回、それも夜の3時間くらいだけという、あまりにも短い勤務時間で続けることになった。
立地上、昼間は忙しいけど夜はあんまり忙しいことはなかった。だけど仕事が終わったら賄いが出た。しかもなぜかビール付き。本当になぜかどういうわけだか、もれなくビールが出てきた。その上、余った食材があったら持たしてくれた。
勤務時間が短いからバイト代は大した金額にはならなかったけど、こういう現物支給が非常に助かった。
このバイトは32歳で弊店を開店することになる直前まで続いた。
もちろん弊店の開店を喜んでくれた。店長と奥さんと2人して喜んでくれた。
開店して1年後の開店記念日、店長がやってきて持参のビールを1本差し出した。『1周年おめでとう。』って言いながら。
2周年の時は、そのビールが2本になった。3周年の時は3本、4周年の時は4本、5周年の時はなぜかまた4本だった。数え間違えたらしい。後日、杜の季に行ったら『この間、忘れてた分。』って言って、ビールを1本サービスしてくれた。
先日、弊店は9周年を迎えた。だけど12月8日、店長はやって来なかった。「おや?」と思っていたら翌日やってきた。もちろん9本のビールを抱えて。
『9周年、おめでとう。これからもずっとずっと何十周年てがんばっていけよ。』
そう言った後、ちょっと間があった。逡巡したような表情で店長が言った。
『本当は今日は言わんでおこうと思ったけど・・・。今年いっぱいで店を閉めるから。』
今日、12月28日が最後の営業だと聞いた。
先週も行ったけど今日も行った。「長い間、おつかれさまでした!」の思いを込めてギフト用のビール持参で。

22年か。・・・しまったな、ビール22本にしとけばよかった。
杜の季の店長、奥さん、おつかれさまでした!
ごきげんよう。
30日まで休まず営業
大晦日 休み
元日 休み
2日 午後7時開店
3日 午後7時開店
4日(日) 休み
5日(月)〜 通常営業