韓国映画”復讐者に憐れみを”、かなりヘビーな作品だ。監督は”JSA”のパク・チャヌク。この作品のあとの”オールド・ボーイ”、”親切なクムジャさん”で復讐3部作を成す。また”オールド・ボーイ”ではカンヌ映画祭でグランプリを受賞している。
前半の1時間は主人公たちに次々と不幸なことが起こる。人生の無常さ。運命の皮肉さ。
後半の1時間は主人公たちがそれぞれの復讐をしていく。復讐が復讐を呼び、その連鎖は止まらない。最終的に彼らは対峙することになる。全ての復讐に終止符が打たれる。しかしそこにカタルシスはない。無常観だけが残る。
ただ映画としての作りは非常にうまい。実際、少々無茶な設定やストーリーに説得力を与えているのは、脚本がよくできているからだと思う。登場人物のキャラがたっているし、構成がうまい。
そしてなんといっても演出の力だ。これだけ陰惨で暗い話をきっちりエンターテインメントに仕上げている。カメラ・アングルや画面の明るさなどの視覚的な効果に重きをおいていて、それが功を奏していると思う。
あまり誰でも彼でもに薦められる映画ではないが、もし観るのであれば体調がすこぶるいいときに観たほうがいい。かなりテンションが下がるから。
復讐者に憐れみを デラックス版
/ ジェネオン エンタテインメント
スコア選択: ★★★★
オールド・ボーイ スタンダード・エディション
/ ジェネオン エンタテインメント
スコア選択: ★★★★