入江悠監督・脚本、"SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者"。
2年前、サイタマの【SHO-GUNG】ってラップグループを抜けてメジャーなラッパーになるためにトウキョウに出てきたマイティー。しかしいまだに【極悪鳥】ってラップグループの見習いのままで、ステージにすら上がれない日々。週末にあるラップバトルに賭けるが・・・。
1作目の"
SR サイタマノラッパー"、2作目の"
SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム"と、都会に近い田舎である北関東を舞台にしていたせいもあって、どこかしらのどかで牧歌的なコメディーテイストの強い作品だった。
しかしながらこの3作目、どシリアスである。
トウキョウから始まるマイティーのシリアスストーリー、けれどまたしても舞台は北関東へ。今度はトチギだ。しかしそこでものどかさはなく、シリアス全開。
マイティーのダメさは笑えない。哀しくて切ない。
そんな3作目であるが、いまだに【SHO-GUNG】を続けてるボンクラ2人組、イックとトムはやっぱり出てくる。そして彼らに対抗するのがレペゼン日光の4人組、【征夷大将軍】!この2組の絡みは笑える。この作品における癒しである。
MCノーボイスってのにはまだ普通に心の中で「おいっ。」ってツッコんだだけだったけど、DJ眠り猫ってのには声を出して笑った。あれにはヤラレた。
クライマックス、ものすごい長回し。時間的にも長いし、移動距離も長い。もちろん起こる事柄も多い。
観ていてどんどん緊張感が増していった。マイティーの気持ちに同化してしまいそうなくらいに。
あの演出の効果は抜群だった。
マイティーも含めたSHO-GUNG、3人ともダサくてカッコわるい。でもそこがいい。3人ともダサくてカッコわるいからこそ、あの友情にリアリティーがある。説得力がある。そしてそこが救いになる。このどシリアスなストーリーの救いになる。
イックの『そのマイクまわしてやんよ。』が本当にダサくてカッコわるいのにグッとくる理由はそういうことだ。