内田けんじ監督・脚本、"鍵泥棒のメソッド"。
貧乏で売れない役者の桜井は、偶然銭湯で居合わせて気絶してしまった山崎のロッカーの鍵を自分のものとすり替える・・・。
ファーストシーン、広末涼子が出てくるあのシーンだけでその後のおもしろさを確信した。「え?」ってグイッと惹き付けられた。
そしてタイトルバック後に出てくるのは堺雅人、香川照之。そう、"半沢直樹"で土下座をめぐる100倍返しの死闘を演じた半沢直樹と大和田常務である。
だがしかし、途中までそんなことはちっとも脳裏をかすめなかった。脚本の引き込みっぷりと2人の演技力、2人のキャラクター造形の見事さが、どっぷりとこの作品に向かわせていたのである。
まあ、香川照之演じる山崎(桜井?)のパツンパツンのトレーナー姿、それもジーンズの中にインしている姿を見たら、おもしろすぎて大和田常務のことなんか思い出すヒマはない。
途中、いろいろと話が複雑になってこんがらがってしまわなくもない。
でもそんな中で、ダメなヤツはやっぱりダメだし、デキるヤツは結局どんな状況からでも可能性を見いだせるんだっていうことを痛切に感じたし、そしてだからこそあるハッピーエンドを想像しながら観ていた。こうなって欲しいって願うハッピーエンドが確実にあった。
実際に私が願った通りのハッピーエンドだったかどうかはさて置いても、この映画の脚本のすばらしさはハンパない。おもしろくてハラハラして騙されて、その上でいろいろな伏線も見事に回収されているし、何と言っても観た後の気持ちがいい。
珍しく誰にでもオススメしたい映画である。
てことで観て!"鍵泥棒のメソッド"!オススメ!
同じ内田けんじ監督作品なら"
アフタースクール"も"
WEEKEND BLUES"もいいけど"
運命じゃない人"を激しくオススメ!