ゲイリー・ロス監督、"ハンガー・ゲーム"。
未来、ごく一部の富裕層が、それ以外の人々が以前のような反乱を起こさないよう年に一度、儀式を行う。それは十二の各地域から男女一名ずつの少年少女を選出し、ただ一人が生き残るまで終わらないサバイバルであり殺し合いの儀式。その儀式は【ハンガー・ゲーム】と呼ばれた・・・。
予告編を観たらサバイバル・アクション映画だってのはすぐに分かるが、こんなに設定が込み入ってるとは思いもしなかった。設定の説明に一時間強もかかるなんて。
でもそんな設定も結局のところ"バトル・ロワイアル"の焼き直しなわけで、てことはつまりこの映画の存在意義ってのはどこにあるんだってことになるのだが・・・。
多分。
アクションとか残虐性とかってのはどうでもいいんです。そんなものはただの手段に過ぎないんです。
これは実は世界には裏にちゃんとしたシナリオがあって、予期せぬ出来事のように見えることさえも、そのシナリオ通りに過ぎないってことを言いたいんです。
つまり世界はごく一部のヤツらの手の中にあって、それを変えることはできないんだっていう虚無感がテーマなんです。
ってのが制作者の意図なんじゃなかろうか。
で、『これ、テーマ深くね?頭良さげじゃね?確実に"バトル・ロワイアル"より数段上いってね?』とか思ってんじゃなかろうか。
と、どうにもその辺が透けて見えてしまったので、この映画の製作チームにこそ弓を引きたい。