
TBSドラマ、"半沢直樹"。
銀行員である半沢直樹が『やられたらやり返す。倍返しだ!』を信条(もしくは決まり文句)に、理不尽な(いや、金融業界では普通なのかもしれない)難関をなんとか乗り切っていく・・・。
ついに最終回まで観終えた。最後の最後は、アレはだってしょうがない。アレでこそでしょ。
そこはそれとして。
このドラマの評判と視聴率がすこぶる良かったのは、世間があまり知らない銀行の内幕物で原作及び脚本がしっかりしているってのは当然のこととして、現代劇でありながらまるで時代劇のような勧善懲悪の明快さ、耐えて耐えて最後でひっくり返す、それも倍!というかつてのプロレス創世記における力道山の空手チョップばりの爽快さ、あえてテレビドラマの世界ではなく舞台などで活躍する俳優を使ったことによるキャラクターの固有性の強調、そしてそのキャラクターの立った俳優陣のオーバーアクトギリギリの演技による緊張感の持続など、私のような素人でもいくつも思い付く。
最高のドラマには最高の悪役が必要なんて言うけれども、それで言ったらこのドラマには小さいのから中くらいのから大きいのまで、実に様々な悪役が出てきて、しかもそれらみんながいかにもな感じで、なんなら1人1人のその後とかそこに至るまでとかのスピンオフを観てみたいくらいだ。
小木曽と古里のイケ好かない小物同士の出向先でのお互いの足の引っ張り合いとか。・・・それはもうコントだな。元ビシバシステムだし。
まあそんな小物の悪役なんかは置いといて、金融庁の黒崎のオネエキャラもハンパなかったし大好きだが、やはり何と言っても大和田常務である。と言うか香川照之である。

もうあの表情と言うより顔芸と言った方がしっくりくる表情筋の使い方のレパートリーの多さたるや。に加えて台詞回しの独特な嫌らしさ。
最終回の『やれるもんならやってみぬぁっ。』なんて、脚本には『やれるもんならやってみな!』って書いてあるだけのはず。それをあの敢えて鼻から抜いた言い方であの顔でって、その発想と演技はスゴいと思う。
原作には続編があるから当然そのうちやるでしょ。映画かパート2か分からないけど。最終回の視聴率42.2%のこんな化け物コンテンツを放っとくわけないじゃんね。
次は誰に何倍返しかなー。やっぱり中野渡頭取なのかなー。それだと何倍返しかなー。
むむー、待ちきれないから原作に手を出してしまうか!?
半沢直樹 ★★★★★