吉田戦車著、"日本語を使う日々"。
漫画家・吉田戦車が気になる日本語について意味を調べたり考えたり使ったりしてみるエッセイ。
のはずが、漫画家同士で結婚して子供をもうけての日常が普通に綴られているだけのような気がしなくもないエッセイ。いろいろとゆるゆるである。
あまりにもゆるゆるで読んだ端から内容をすっかり忘れていってしまってるようで、読み終えたはずの本をパラパラとめくったところ、まるで初見のような新鮮な感動を覚えている。複雑である。
『猫でできた犬』というタイトルが好きだ。しかも書き出しは『私が描く犬は、猫でできている。』である。タイトル以上に好きだ。これから後の本文はもうどうでもいいくらい好きだ。
そうか。
私は前後の繋がりなんて関係なく、気に入ったフレーズばかりをピョンピョンと目で追うような読み方をしていたな。
だからパラパラとめくったらまるで初見のようだったのだ。
てことはあれだ。この先ずっとパラパラして楽しめるじゃないか。ずっと初めて気分じゃないか。なんか得した気分だな、おい。
そんな得した気分でパラパラしたら『バーボンが飲みたいもん』ってフレーズに目がいった。それが何かは読まずにイメージだけでクスクス笑えるのは不思議だな。ふむむ。