ちょっと前にNHKであった矢沢永吉のスペシャル番組を一昨日やっと観た。
途中で声が出た。この時期に観るようになってたんだなって思った。
永ちゃんがデビュー前に演奏していた横浜のバーを訪れていた。
ライブ中に客が飲んでいるジンライムがとてもおいしそうで、ライブの休憩中にもらったばかりのチップを握り締めてよその店に飲みに行ったって話をしていた。
『これをね、飲みたい時に何杯でも飲める男になろうと思いましたね。』
永ちゃんがその時に飲んでいたのはミドリイロのジンライム。ライムシロップを使ったジンライム。
その後、永ちゃんは成りあがってリッチになった。でも世の中もリッチになっていて、どこもかしこもライムはシロップではなく本物のライムを使うようになってしまった。
せっかく何杯でも飲めるくらいリッチになったのに、永ちゃんが飲みたかったジンライムはどこにもなかった。一般的には本物だとしても永ちゃんにとっては偽物だった。
『シロップのジンライムが僕にとっては本物だから。』
永ちゃんが63歳。うちの親父が生きていたら70歳。2人とも団塊の世代。
その世代のジンライムはやっぱりミドリイロなんだな。
親父にとってもミドリイロのジンライムが本物だったんだ。
親父が他界して今日で丸14年経った。
ミドリイロのジンライムで親父と乾杯しよう。