卯月妙子著、”人間仮免中”。
壮絶な人生真っ只中、統合失調症を患っている卯月妙子。36歳にして25歳上のボビー(といっても日本人)と出会う。そこには今まで以上に壮絶ながらも、絶対的な愛に満ちた人生が待っていた・・・。
実話の漫画だから帯に『コミックエッセイ』って書いてあるけど、そんな生ぬるいモノではない。読み進むに連れて、この人はどこまでいくのかと何度もドキドキした。もうこの辺でいいんじゃないかと何度も思った。でもそんな私の思いなんか簡単に飛び越えて、彼女は何度も彼岸へ向かっていった。
だけど。
彼女は、卯月妙子は生きている。生きていたから、この漫画を描けた。もうそれだけでいい。もうそれだけですごい。もうそれだけですばらしい。
生きているってすばらしい。
『この世にあること』が1番だとボビー(といっても60過ぎのおじさん)が言った。2番目が『快くこの世にあること』。
真理だと思った。泣けた。頭の中で怒髪天の”全人類肯定曲”が鳴った。
生きてるだけでOK!
真理とか真実とかってのは、至極明解で至極単純なことなんだよ。