秋元美乃・森内淳編、”ロックンロールが降ってきた日”。
上の表紙に名前を連ねる日本のロックンローラーたちが語った、彼ら自身に『ロックンロールが降ってきた日』のことを編んだ本。インタビュー形式ではなく、語り手のモノローグになっている。永ちゃんの”成りあがり”形式。
まず人選がすばらしい。チバ、ベンジー、ヒロトにマーシー、増子兄ィ、チャボ、私の大好きなロックンローラーたち。に加えてギターウルフ・セイジ、ボウディーズ・ROY、ピロウズ・山中さわお、コレクターズ・加藤ひさしと古市コータロー、ムッシュかまやつ、アシッドマン・大木伸夫、ボヘミアンズ・平田パンダ、シリーシング・成田大到。私もよく知らない(でも記事を読んだら「へぇ~。やるなぁ~。」って思うような)若手から最年長のムッシュまで幅広い人選だ。
そして記事が年齢の若い順に掲載されているのがいい。最初の2人、シリーシング・成田とボヘミアンズ・平田なんてまだ20代。だから彼らにロックンロールが降ってきた日は、私からしたらそんなに昔じゃない。彼らが最初に出会ったロックンロール、それはハイロウズ。ブルーハーツじゃなくてハイロウズ。それはそうか、そうだよな。
と思いながら読み進めていくと、そのハイロウズだったヒロトとマーシーの記事。若手の頭上にロックンロールを降らせてそれからの人生を決定付けた彼らにだって、ロックンロールが降ってきた日があったんだってことに気付く。みーんな昔は若かったんだ。なんにも知らなかったんだ。ロックンロールなんて知らなかったんだ。
だけどある日、ロックンロールが降ってきたんだ。
語り口がいい。みんな楽しそうだ。昔を、ロックンロールが降ってきたその日を思い出してるみたいで。巻末にある編者・秋元美乃の文章の『今回登場いただいたミュージシャンの皆さん、話してくださっているときの顔は十四歳の表情だった。十四歳の表情で、そのときの興奮をまるで昨日のことのように話してくださった。』ってのがよーく分かる。【十四歳の表情】って、いい表現だな。イライラがドキドキとワクワクでキラキラに変わるような。目に浮かぶ。
そうだ、僕にロックンロールが降ってきたのも中2の時だった。まだ誕生日が来てなかったから13歳だったけど。
と、それはまた別の話。
ごきげんよう。