鹿児島では3年振りのイッセー尾形のひとり芝居、”イッセー尾形のこれからの生活 2012 in 鹿児島”。(3年前の感想ブログは
コチラ)
旅館の仲居さんが『いらっしゃい。』と迎えてからパリのシャンソン歌手が『ありがとうございました。』とお辞儀をする(というまことに見事な流れに感服)まで、ひとりで8人の役を演じたイッセー尾形。
8人の個性、8人の生活、8つのシーン、8つの人生の切り取り方。その全てが実際に会ったことはないのに会ったことがあるように思える人たち。多分その辺にいる人たち。おそらく知り合いの知り合いにいる人たち。
そんな既視感を覚えるような人たちのクスッと笑える瞬間を演じていて、観ていて非常に穏やかな気分で笑えた。
奇想天外とか斬新とか奇抜とかドキッとかハラハラとか、そんなものとは無縁の日常に根ざした柔らかな笑い。観終えてとてもハッピーだった。
還暦を迎えたイッセー尾形。終演後に会場でのサイン会のためにひとりでササーッと物販会場を歩いている姿は、とても還暦のそれではなく、もちろん舞台で演じた8人の誰でもなく、場に溶け込みそうな自然体でありながらも、ひとりの俳優としてのカッコよさが凛としてあった。
あんな60歳、あんな男、あんな人間を目指そうと思った。
ごきげんよう。
物販会場で買ったいろんなイッセー尾形がたくさんの集金袋。お金が貯まるんだって。