豊田徹也著、”アンダーカレント”。
ヒマな時間に読んでいた。BGMはもちろんビル・エバンス&ジム・ホールの”UNDERCCURENT”。
『いいBar、しゅっとしたBarにはかなりの確率で置いてある』そうだから、そりゃあ、もちろんうちの店にだって置いてあるのだ。エヘン。
主人公のかなえは実家の銭湯を継いだ。婿養子の旦那をもらって一緒にがんばっていた。結婚して2年が経ったある日、旦那が失踪した・・・。
最初に書いてある。【アンダーカレント】という言葉の意味は、『1:下層の水流、底流 2:(表面の思想や感情と矛盾する)暗流』だと。
他人のことなんて分からない。心なんて分からない。本質や本音なんて分からない。そう、何も分からない。
でも、だからこそ、それでも繋がろうとする姿勢が美しいと思える。
ラスト間際、年の功でじいさんが言う台詞が胸を打った。
『互いに苦しみをぶつけ合えばいい!
傷ついたら泣いてそのことを伝え合えばよい!』
本当の意味で繋がるためには、恐れることなくさらけ出さなきゃ始まらないんだな。
分かり合えるかどうかはその先の話で。
身につまされた。
ごきげんよう。