今元気でたまに食事に行くのは母方のばーちゃん。来月、鹿児島アリーナであるバレーボール大会を楽しみにしている。
父方のばーちゃんは僕が小2の時に他界した。62歳だった。
僕が生まれてからほとんどずっと一緒に暮らしていた。優しかった。僕が最初の孫だったからだろう。
幼稚園の頃は毎日100円くれた。僕はそれを握りしめて友達と一緒にミヤコ屋に行った。全部10円玉に替えてガチャガチャをした。毎日100円って、すっごく贅沢だったな。
ばーちゃんはガンだった。って言ってもそのことを小2の僕は知る由もない。
入院していた病院に行くのはイヤだった。だから頻繁にお見舞いに行った記憶はない。
31年前の今日10月28日の夕方、僕と弟と親父は病院にいた。おふくろもいたのかもしれないけど覚えていない。
お医者さんが親父になんか言った。親父が僕らになんか言った。そこは病院の廊下で、掛けてあった時計が6時半だったのを覚えている。
親父が僕らをトイレに連れて行った。そこで親父が僕らに言った。
『泣いてもよかたっど。』
僕は【死】というものを理解していなかったので、キョトンとしてしまった。弟も同じ反応だったと思う。
ただ親父の目には涙が浮かんでた。初めて見た親父の涙だった。「えっ?」って思った。親父も泣くんだと思った。
それを見て死を理解したわけではないけど、事の重大さを感じたのか、泣いてた。
大人になってから分かるのは、あの日あの時の『泣いてもよかたっど。』は、親父が親父自身に言っていたんだなってこと。
今日は墓参りに行きそびれた。明日行こう。