2週間前にあった小出裕章講演会@サンエールかごしま、非常にためになった。
知らないことや認識の甘いことがたくさんあるってことを知った。
原子力発電(と火力発電)ってのは、言わば湯沸し装置で古めかしい技術。なのに100万kWの原子力発電所1基が1年間運転するごとに燃やすウランの量は1トン(広島原爆で燃えたウランの重量は800g)で、厖大な放射能が生み出されるというリスクを背負わなくてはならない。
加えて実は効率も悪く、原子力発電は作り出した熱量の3分の1しか電力にできない。つまり100万kWの電気出力のためには200万kWの熱量を無駄にせねばならない。行き場のない熱量はどこに行くか?引き入れた海水を温廃水として流し海水の温度を約7℃上昇させる。原子力発電のやっていることの3分の2は海を温めていることなのだ。原子力発電所は正しくは海温め装置に過ぎないのだ。
しかもこの海温め装置、安全安全って言ってるくせに都会には造らないことになっている。大いなる矛盾。
そして話を聴いていて「あ、それだ!」と思ったのが【崩壊熱】のくだり。地震と津波で海温め装置が大打撃を被ったのは分かる。だけどなんで全部の機能停止と共に発熱自体が止まってしまわなかったんだろう?ってのが疑問だった。その疑問への解答があった。作り出される熱量は核分裂による熱と崩壊による熱の総量で、核分裂は制御できるけど崩壊熱は止めることができない。つまり冷却できなかったために崩壊熱が上昇を続け、その温度にに耐えられない海温め装置は壊れてしまったのだ。制御できないものは間違いなく不完全で、しかも確実にあまりにも大きなリスクを背負わなければならないものなんてクソだ。いや、クソは肥料にできて利用価値があるからクソですらない。クソ未満だ。クソに失礼だった。ごめん、クソ。
まだ途中だけど長くなるので、ここらで一旦ごきげんよう。