一昨日、久々に寄り道をした。間が空いたのは特に理由があるわけではない。たまたまだ。
でもちょっと間が空くと行きにくくなるのは確かだ。どうしようかな?って思った時に、今日はいいやってなりがちだ。
そうだ、多分それがかなり間が空いてしまった理由だ。
久々だったけど、自然に暖簾をくぐれた。自分でも不思議なくらいに。
マスターが『おぉっ!水さん、久しぶりやったねぇ!』とウェルカム。ママも『覚えててくれたのねぇ。いらっしゃいませぇ。』とウェルカム。嫌味なんて微塵もなく、本当に喜んでくれている様子。
この時点で「やっぱり来てよかったなぁ。」と思った。そして「やっぱりいい店だなぁ。」と思った。店に変な気負いがないし気取りがないし、そこにいる自分も変に気負わなくていいし気取らなくていいし。
生ビールを飲みながら付きだしの煮物をつまむ。煮物がうまい。これを一皿もらいたいくらいだった。
隣りの姐さんとも久しぶりだ。姐さんは私が行く時間帯にはいつもこの店にいる。常連の域を超えて店に住んでいる妖精のようだ。座敷童みたいな。
マスターとは最近の店の話。ママとは年齢と結婚の話。地鶏焼きをつまみながら。ビールが空いたので三岳の水割りに切り替えた。
姐さんがテレビで観たと思しきビッグダディについて語り出した。何か思うところがあるのか、ガンガンヒートアップ。相槌を打ちながら三岳はニューボトルになった。
そこにダンディーな常連さん登場。いつものマグロがなかったからか、その日は『マスター、つぼ焼き!』って言ってた。そしていつもの通りおネエちゃんの話。いくつくらいなんだろう。60は超えてるよな。でも色気があって艶がある。店が素敵だとお客さんも素敵だ。
でもいつもは歌でも歌い出しそうな勢いで飲み続けるのに、この日は割とすんなり帰って行った。ママ曰く、どうも最近奥さんに頭が上がらないらしい。もしや何かやらかしたのがバレたのか?それはそれでカッコいいぞ。うむ。
なんて思いながら5時を回ったので、そろそろ帰ろうかなと会計をお願いした。『あらぁ、まだ飲みなさいよ。』とママ。いやいや、これ以上ここにいるとほんとにお尻に根が生えるんですよ。居心地が良すぎて。
『ありがとうございます。おつかれさま。おやすみなさい。』ってママの声を背中で聞きながら店を後にした。
形態とかなんとかは全然違うけど、魂の部分って言うか根っこの部分って言うか芯の部分って言うか一番大事な部分を、うちの店もあの店みたいにしたい、しなきゃと思えるくらい素敵な店。
間を空けることなく近いうちに寄ろう。
素敵店との邂逅
素敵店のマスター
素敵店のママ