キャスリン・ビグロー監督、”ハート・ロッカー”。
イラクで爆弾の処理をする米軍。街のそこかしこに爆弾は仕掛けられており、取り除く側と仕掛ける側のイタチゴごっこは命のやり取りをしながら延々と続く・・・。
戦争、戦場というのは、我々にとっての異常が日常なんだと強く思った。そしてその異常が日常に反転してしまった場においては、自己防衛のための高揚感や達成感だったものが徐々に強大になっていき、しまいには平和や命の大切さってものを凌駕してしまう狂気の淵に辿り着くのだ。
一つのミッションを終えても、また次のミッションがある。一つの場所から帰還しても、また次の場所に送られる。
除隊するか、傷付くか、病むか、命を落とすか。その日まで繰り返される緊張と高揚の日々。終わらない異常な日常。
日本に徴兵制がないことにちょっと感謝した。
にしてもキャスリン・ビグロー、ずーっと名前を見なかったけど、相も変わらず男前な映画を撮るなぁ。