
熊切和嘉監督、”海炭市叙景”。原作、佐藤泰志。
北国の都市【海炭市】を舞台に、そこで暮らす人々の年末から年明けまでを淡々と切り取る。余計な感情を描くことなく、そのまんま切り取ったところが【叙景】的だ。
構成は5話からなるオムニバス。海炭市に暮らすある兄妹、ある老婆、ある夫婦、ある男、ある親子、それぞれの物語。
北国の冬の寒さや厳しさがもたらす暗さが、それぞれの物語の底辺にある。失望、諦め、憤り。明日への希望が見えない暮らし。わずかな光を求める暮らし。
観ながら自分のことを思った。生い立ち、今まで、今、これから。
今までのいろんなことを考えたら、今は上出来だと思う。よくやってると思う。店がどうこうというレベルの話じゃなくて。生きる、ということにおいて。
映画のラスト、僕がスクリーンの中の彼らや彼女らへ向けていた「やわらかく、あたたかい、雪どけが訪れますように。」という祈りは、これからの自分へ向けていたのかもしれない。
海炭市叙景 ★★★★☆
2月27日(日)はジミー入枝とザ・キングタウンズのライブです。