NHKドラマ
”チェイス 国税査察官”。
ずっと前に録画したのをやっと観た。音楽が菊地成孔だったのと
”外事警察”を観た時に流れていた予告編が印象的で録画していたのだ。
1話はおもしろかったものの2話で「う~ん、そっちに行くかぁ。」と思い、ちょっと興味がそがれた。が、それは風呂敷を広げて伏線を張るための過渡期で、それらが収束し絡まり合っていく3話以降はのめりこんで一気に観てしまった。
主人公・春馬は国税局査察部に勤めている。以前は【マルサ】と呼ばれていたが、映画でその言葉が有名になってからは【8階】と呼ばれている。大規模で悪質な脱税の内定調査で忙しい日々。ある巨額脱税の陰には脱税コンサルタント・村雲の存在があった・・・。
まず【タックス・ヘイブン】とか【パーマネント・トラベラー】なんて言葉の存在と意味が興味深かった。(ちなみに【タックス・ヘイブン】のヘイブンは【haven】で【回避地】であり天国ではない。)脱税の仕組みもたくさんあり、いろんな組み合わせで巧妙に法の網をくぐり抜けていく様に、犯罪とは理解しながらも感心してしまった。
脱税コンサルタント・村雲を演じるARATAがいい。寂しさと哀しさだけで人の形を成しているようなたたずまい。目の奥に潜む冷えた狂気。そしてその狂気が熱を帯びていくのと共に増幅する世の中への憎悪。最高の悪役だ。しかも最終話では(ネタバレ自粛)だし。
にしても5000億6000億の話を観ていたら、途中でふと「場末のちっぽけな店で小商いをしている自分は何してるんだろう?」と思ってしまった。それはそれでこれはこれなんだけど。
まあ、夢はでっかく、そのうちスイス銀行に口座を持ってヴァージン諸島に住むことにしよう。って、脱税ありきの夢だな。そりゃないわ。