岡本喜八監督、”血と砂”。三船敏郎主演。
主人公は破天荒な曹長。破天荒な素行が災いして戦渦の最前線に送り込まれる。最前線での隊長からの指令はヤキバ砦の陥落。しかし同行するのは素人同然の軍楽隊の少年兵13人と営倉に入っていた3人の兵士たちだった・・・。
1965年の作品で台詞が聞き取りにくかったりするのだが、そんなことはお構いなしにグイグイ惹きつけるのはさすがの岡本喜八。
前半は戦場でのいろんな営みが垣間見えて軍楽隊の演奏もお気楽に聴こえて、戦場を舞台にしたドラマかと思わせておいての中盤以降、生死を別つ戦場の厳しさを生々しく見せたかと思いきや、火薬の量がドッカンドッカンと右肩上がりの尻上がりでアクション活劇ド真ん中。そしてそれに反比例するかのように軍楽隊が演奏するディキシーランド・ジャズは賑やかさから儚さ、切なさへと移行していく。トランペットのソロがあんなにも悲しみを帯びたものだとは・・・。
観ながら頭をよぎったのは、先日初めてスクリーンで観た
”明日に向って撃て!”。音楽の使い方と選曲の妙、女性の存在、底辺にある暗さ、そしてラストシーン。この映画は明らかにアメリカン・ニューシネマの影響を受けている!と思ったけど、よく考えたらこっちの方が数年早い。
てことはあれだ。この映画(だけとは限らないこの時期の日本映画)から少なからず影響を受けてアメリカン・ニュー・シネマの動きは起こったのだな。だって【滅びの美学】なんて至極日本的な概念だし。うん、間違いない。決定!