最近、我が家で眠っていたポスターを引っ張り出して来て店に飾ってみた。クエンティン・タランティーノの初監督作品、”レザボア・ドッグス”の一場面のポスターだ。
で、この場面の記憶が曖昧だったのでこれを機にまた観てみた。するとオープニングのダイナーから移動するところで、”LITTLE GREEN BAG”をBGMに一人一人がアップになってクレジットが出る場面だった。この時点でカッコいい映画だと確信できる、そんなオープニング。
会話と脚本の構成は何度観てもやっぱりすばらしい。タランティーノの魅力ここにありだ。この辺の印象は全く変わらない。最初に観た時と同じようにおもしろく、同じようにくだらなく、同じように惹き付けられる。
今回久々に観て明らかに違う印象を持ったのは、ティム・ロス演じるMr.オレンジのキャラクター。もっとカッコいいイメージだったのだが、初っ端からすっごくカッコ悪い。往生際が悪く、ずっとゴチャゴチャ言っている印象を持った。こんなヤツだったんだなぁと思った。
と同時に、このMr.オレンジと結構な時間を共有するハーヴェイ・カイテル演じるMr.ホワイトのMr.オレンジへの接し方に、どことなく同性愛的な匂いを感じた。冷静さを失い、それでいて包容力のあるところに、友情とか同志的なものよりももっと直接的な愛情を感じたのだ。
だからといって作品の魅力が損なわれることはないし、逆にそう考えれば合点がいくところもあった。年を経て再鑑賞するのもおもしろいなと改めて思った。
にしてもMr.ブロンドの耳そぎダンスのシーンだけは、何度観てもイ~ッ!ってなる。