最近は歯医者通い。そこの歯科衛生士さんで1人、20代前半とおぼしき天然系な彼女がいる。
歯医者では時として口の中に綿を詰められるが、件の彼女に確か私は2つ詰められたように思う。いかんせん見てはおらず、感触から口の中で行われている作業を想像してのことだ。そしてそのまましばらく放置された時、あろうことか私、昔のサザエさんの如くに「んがっ、んっんっ。」してしまった。一瞬、何が起こったのかわからなかった。が、おそらくあの綿を飲み込んでしまったに違いないと思い至った。そうでないことを祈りたかったが、どう考えてもそれしかなかった。
しばらくして彼女が戻ってきた。綿を取り出し始めた。1つ。・・・だけ。・・・おしまい。彼女はその後普通に作業をしていた。私は「あ~ん。」と口を開いて治療の続きを受けながら、あれはやっぱり綿だったのだと認識し、お腹が痛くならなるのでは?と不安になり、これは大げさに言えば医療事故なのでは?とちょっと憤慨し、そして2つ入れて1つしか取り出してないことに何の疑問も感じない彼女に畏怖の念を抱いた。
まあでも天真爛漫でふわっふわしているのでなんだか憎めなく、いやいや最初から綿は1つしか入れてなかったんだと思い込み、何にも言わずにそのまま帰った。お陰様でお腹はなんともなかった。
そして今日、いつも通りの時間である午前11時半に治療が始まった。一所懸命に私の歯石取りに励む彼女。
しばらくして『口をすすいでくださーい。』と言い、私がくちゅくちゅと口をすすいでまた座り直し、『(イスを)倒しまーす。』と言った直後に彼女は続けて言った。
『お仕事帰りですか?』
わしゃどんな仕事しとんねん!?まだ昼前やぞ!市場か?市場はもっと早いわ!朝方酔った勢いで食堂に行くから知っとんねん!あ~、んじゃあれか?ホストか?朝方までやってるホストか?そんなに頭盛ってへんっちゅうねん!Tシャツにジーンズのホストはなかなかおらへんでぇ!て言うか、なんで今日になってそれ訊くぅ~?
というツッコミは胸の奥に仕舞い込み、「いえ、仕事は夕方からです。」と無難に答えたのであーる。
また来週も行くのであーる。一応私の仕事を説明したのだが、ちゃんと覚えているか不安なのであーる。ごきげんよう。