山口晃著、”すゞしろ日記”。
絵を描かせたらあんなにも緻密なのに、エッセイ漫画となるとこんなにもユルユルなのか!?とそのギャップにおののきつつも、実はこのユルユル具合が至極心地よく、そしてごくごくたまに述べられる金言のごとき心情の吐露にズキューン!と心打たれ、いつまでも延々と読んでいたくなった一冊。読みながら残りのページが徐々に少なくなっていくのと反比例して寂しさが増してしまう本は実に久しぶり。
日本の現代美術を代表する画家の日常・・・という言葉からは想像できないユルさ、くだらなさ、だらしなさ、庶民っぷり、貧乏っぷり、夫婦っぷり、家庭の平和教信者っぷり。
歳もそんなにかわらないし、友達になりたーい!ていうかまず一緒に飲みにいきたーい!と思ってしまうほどに距離を近くに感じ、山口晃という作家というか、その緻密な作品というか、作品と対極にある日常というか、『むはは』と笑う食い意地が張っている丸顔の嫁さんというか、なんというか”すゞしろ日記”全部が大好きである。てことで続編希望。
うぬ~、彼の絵を実際に見てみたいなぁ。大きいサイズのまんまの絵を。あぁ、お寿司食べたい。むはは。