ダニー・ボイル監督、サイモン・ビューフォイ脚本”スラムドッグ$ミリオネア”。アカデミー賞の作品、監督、脚色他8部門を受賞。
インドの青年ジャマールは高額の賞金が懸かったクイズ番組で残り1問にまで辿り着いた。決して簡単ではない問題なのに、スラム育ちで現在はお茶汲み係のジャマールがなぜ正解を導き出せたのか?彼の過去を遡ることによって明らかにされていく。果たして正解は偶然だったのか?
”トレインスポッテイング”で一躍脚光を浴びながらも、その後低迷していたダニー・ボイルの大復活作。とはいえハリウッド映画ではなく、彼の故郷イギリス映画でもない。インドを舞台にし、出演者もほとんどインド人。しかも無名。つまり資本こそ違うものの、これはインド映画的な勧善懲悪、ラブストーリー、エンターテインメントが詰め込まれたボリウッド映画と言えよう。(経済成長著しいインドでは映画産業も盛んだ。中心都市ムンバイの旧称【ボンベイ】と映画の都【ハリウッド】を合わせた造語、それが【ボリウッド】。)
最初のチビッ子たちの疾走シーンで大太鼓ドカドカのインド音楽。これはまさしく”トレインスポッテイング 2009@インド”だと思った。スコットランドを舞台にイギー・ポップの”ラスト・フォー・ライフ”をBGMにユアン・マクレガーが疾走していた”トレインスポッテイング”へのセルフオマージュ。トイレのシーンなんてまさしく・・・。
ダニー・ボイルがこんな作品を撮ったのも、そしてオスカーを獲ったのも、決して偶然なんかじゃなく運命だったに違いない・・・。
”スラムドッグ$ミリオネア” ★★★★