”300”のザック・スナイダー監督、”
ウォッチメン”。
伝説的なグラフィックノベルの映画化作品。それをザック・スナイダーが監督したとあって、映像、視覚効果が凝りまくっていてカッコいい。しかも音楽もカッコいい。
が、肝心のストーリーが難しい。ケネディー暗殺、キューバ革命、アポロの月面着陸、世界的事件の陰では【ウォッチメン】と呼ばれるスーパーヒーローが尽力していた。しかし政府の意向で彼ら彼女らは活動の禁止を余儀なくされた。そしてその中の一人が殺された・・・。
スーパーヒーローたちが現実に存在する世界、という設定が咀嚼しづらい。それをなんとか咀嚼しても、物語が過去と近過去と現在を行き来するので、最初の1時間位はかなりの集中力が必要だ。キャラクターと設定がきちんと頭に入ったら楽しめるのだが、そこに至るまでに挫折する可能性が大。なんとも人には薦めにくい映画だ。
いろんなキャラクターが出てくるが、個人的には世界に対して唾を吐くような排他的な思考を持ちながら、どこかで繋がりを求めている寂しきハードボイルドの【ロールシャッハ】が好きだ。本来の顔を隠す布を自分の顔だと言うロールシャッハ。本来の顔をさらすのを極端に嫌うロールシャッハ。なんだかちょっとシンパシーを感じた。
終盤の【奇跡】とは?のくだりがいい。当たり前のように目の前にあることが、実は奇跡だってこと。すごくいい。みんながそんな奇跡に自覚的なら、世界が危機に瀕することもないだろう。【ウォッチメン】の出番もないだろう。
目の前にいる大切な人に出会えたこと。この奇跡に気付くことが世界平和への第一歩。まさしく【LOVE&PEACE】だ。
”ウォッチメン” ★★★