あのマドンナの初監督作品、”ワンダーラスト”。なんと共同脚本と製作も兼ねている。原題は”FILTH AND WISDOM”。
いきなり主人公の1人であるAKのカメラ目線での独白から始まる。こんな小手先の演出だとちょっと先が思いやられるぞ・・・というのは全くの杞憂に過ぎず、実にそつなく、きっちり映画として成立していた。
主人公は3人。成り上がるという気持ちはありながらも、現状はSMプレイのドS役で収入を得ているAK。バレエを愛していながらも、生活のためにストリッパーになるホーリー。アフリカ救済を夢見ながらも、勤務先の薬局で薬をくすねているジュリエット。ダメ~な3人が同じアパートメントでくすぶっている。
前半のダメ~な感じとロックなノリはダニー・ボイルとユアン・マクレガーの出世作”トレイン・スポッティング”を彷彿とさせる。でもって中盤以降のAKのバンドのライブシーンが激しさと生々しさ爆発でメチャクチャカッコいい。さすがマドンナ!の面目躍如。そして後半は物語としてちゃんと落とし前をつけていき、結構、いや、かなり素敵な映画になっている。
冒頭でAKが言った『俺は真実を言っているから天国へ行く。』には超共感。そしてこれはそんな物語。傷ついても傷つけても、それでも貫く自分道。それが天国へ、幸福へ通じるってこと。私が思い描くロマンティックと違わない。
さらにAKは言った。『ゼロから創りだせ!』
熱いぜ、マドンナ。熟女好きではないが、そんな彼女に「惚れてまうやろ~っ!」
”ワンダーラスト” ★★★★