阪本順治監督・脚本、梁石日原作、”闇の子供たち”。
タイにおける人身売買、臓器売買、幼児売買春をテーマにした重く苦い作品。
命に軽重はなく、全ての命が平等であり、そして自分で身を守る術を知らない子供の命は親が、いや全ての大人が守るべきものである。・・・なんてことは絵空事のおとぎ話で、我々の知らないところでこんなことが行われているんだと、世の中そんなきれいごとばかりじゃないんだと強く、強く訴えている。
観ながら【生まれる】ということ、【生きる】ということの意味を考えざるを得ない。そして「なぜ?」「どうして?」といろんな「?」が頭をよぎった。で、そんな疑問を払拭する、そこにないもの、欠けているもの、あるべきものがポンと浮かんだ。【愛】だ。
親から子への愛。老若男女を問わない人から人への愛。この「人から人へ」の中には、お金を払って一時の逢瀬を楽しむ相手に対してってことも含む。相手はモノではなく人であるという認識の下に最低限持つべき愛があるはずだからだ。
愛は大切。愛が大切。こればっかりはきれいごとなんかじゃなく、真剣にそう思った。
”闇の子供たち” ★★★★
下記の原作は未読。