ペドロ・アルモドバル脚本・監督、”ボルベール/帰郷”。主演はペネロペ・クルス。
主要なキャストは女性ばかり。主人公、その娘、姉、母、伯母、いとこ、街の人々、皆女性。何かを抱えながら、それでもたくましく生きている。対照的に、たまに出てくる男性キャストは皆ろくでなし。哀しいほどにろくでなし。
そんなろくでなしどもに泣かされたり翻弄されたりしている女性一人一人の物語が、幾重にも重なる重層的な作りになっている。あまりにも濃い脚本なので、予算が許す限りもっと長い作品にして欲しかった。一人一人にフォーカスを当てて、群像劇もしくは章立てのオムニバスにしてもおもしろかっただろう。
たくましく生きる女たちは、しょうがなく嘘をつき、しょうがなく罪を犯した。そしてその全てを清算してしまおうとした。その姿勢に感服する。ろくでなしの男どもには真似できない。私も含めて・・・。
改めて「女は強い。」、そう思った。
ボルベール<帰郷> コレクターズ・エディション
/ ギャガ・コミュニケーションズ
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