定休日の昼間、ふらふら街散歩。涼みに入った本屋で、新刊の棚、文庫の棚を物色。何を手に取るでもなく眺めただけで、そろそろ出ようかと思った。と、「もしかして?」の思いが去来。何の期待もせずに時代小説の棚へ。「そろそろ新作が出てたりしないかな?もう前作”黄金旅風”から4、5年経つし・・・。」
な・ん・と、飯嶋和一の発売されたばかりの新作、”出星前夜”が平積みされていた。「呼ばれたな。」と思いながら手に取りレジへ。
数年ぶりの邂逅が気分を昂揚させた。近くの鮨屋で一杯。
持ち合わせが心もとなかったので、ビールとおきまりを一人前。鮎の塩焼きに興味を惹かれつつも次回にしようと断念。しかしながら鯒(こち)としんこの誘惑には勝てず、冷酒と共にそれぞれ一貫ずつを食す。
夏ふぐの別名を持つ鯒は脂っぽいねっとりとした食感。噛むほどに口中に旨みが広がった。小肌の子供のしんこは7月の終わりからのこの時期の魚。こちらは対照的に鮮烈な味わい。若さ、瑞々しさを感じた。
その後は家でボケッとしていたらゆるゆると時間が過ぎた。アルコールの量が適量だったからか、なんだか一日が長かった。そんな休日。
出星前夜
飯嶋 和一 / / 小学館
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